2023年8月1日 / 最終更新日時 : 2023年7月27日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和5年8月号) 涼 風 中坪 達哉 自転車に乗るたび夏野一跨ぎをちこちの花の名言ひて風涼し涼風やわれを眺むる雲ひとつ宝探しとでも云ふやうに草を引く 祖父はよく研いでをりし研がねばと思ふ草刈鎌を振る中庭の逃げぬ蜥蜴にしやがみけり腰下ろす […]
2023年7月1日 / 最終更新日時 : 2023年6月29日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和5年7月号) 山 法 師 中坪 達哉 モーツァルト流るる庭のチューリップ酢も強き海雲すすりて諾ひぬ新茶汲む今日は仕事も捗りて色褪せて阿弥陀被りもバードデー雲を飛ばす水木の花を目印と見上ぐればほほゑみ返す山法師 青梅の臀うつくしくそろ […]
2023年6月1日 / 最終更新日時 : 2023年5月29日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和5年6月号) 留 守 番 ラ ジ オ 中坪 達哉 ユトリロの街にも春の雨降るや朝刊を大きくひらき囀れり囀の少なき朝や歩を延ばす蛇穴を出づ山城の三の丸よろづ屋の留守番ラジオ春の昼 福光美術館ワークショップ 五句囀の波打てばその真下へと四 […]
2023年5月1日 / 最終更新日時 : 2023年4月28日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和5年5月号) 花 冷 中坪 達哉 とりあへず背伸びなどして春の風窓満たす銀嶺雪崩注意報春いよよ膝の回復遅々として 氷見の家にて月参りふるさとの先づ春潮の見ゆる丘校舎無き一本道や春の雲中庭へ声を散らして燕来る白梅に来てゐるといふ目白見ず […]
2023年4月1日 / 最終更新日時 : 2023年3月31日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和5年4月号) 冴 返 る 中坪 達哉 寒波来る匂ひにバスを待ちにけり持ち替へて重たきは本歩道凍つ映し合ひ氷柱は丈を伸ばしけり古鍬の割り行く雪の響きかな 有磯海気嵐に煽られペダル強く踏む街中を出でて探梅ごころかな春寒し道に迷ひし夢覚め […]
2023年3月1日 / 最終更新日時 : 2023年2月27日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和5年3月号) 雪 降 れ り 中坪 達哉 ぞんぞんと身にも力や雪降れり凍雲や遠き記憶の道探す顔見世のまねき見上ぐるのみなれど煤掃や夏には蛇ののぼりし門 ニューイヤードナウの青に染まりたし KNBラジオ「朝の十七音」スタジオに声をとと […]
2023年2月1日 / 最終更新日時 : 2023年1月30日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和5年2月号) 小 夜 時 雨 中坪 達哉 柿を干す高層ビルのまた増えて一枚の皮の鉄壁熟柿かなこそばゆき雨音を待つ小夜時雨踏む音も落葉明かりの庭巡る日の匂ふ落葉や栗鼠も喰ひさうな 鳥も人を見に日の差して窓辺に今日は尉鶲笑むことも一善 […]
2023年1月1日 / 最終更新日時 : 2022年12月28日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和5年1月号) 鰤 起 し 中坪 達哉 座す膝に日差しあつめて秋の昼柿食ふや渋み幾らかうべなひて酔芙蓉の酔ひ遅き日の無聊かな歩かねば野も余所余所し雁渡し野に入ればやがて花野となりにけり 氷見の家 三句ストーブを出すや父母在るごとく […]
2022年12月1日 / 最終更新日時 : 2022年11月29日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和4年12月号) い て ふ ち る 中坪 達哉 聞きたきは稲を刈り行く鎌の音昼どきを鳶の笛かな運動会 百千度くりかへしても読毎にこと新なり古之典 山田孝雄棗の実くぐり孝雄の歌碑までと切抜きの鋏の音もさはやかに 『前田普羅 季語別句 […]
2022年11月1日 / 最終更新日時 : 2022年10月29日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和4年11月号) 大 気 の 音 中坪 達哉 待宵を駅頭の灯は逆立ちて戻る距離思ひて歩む今日の月十六夜を灯さぬ窓は月見るか別れ来て立待月を車窓より居待月天心に読み耽りゐて開け放つ風に目覚めて寝待月流れ行く大気の音か二十日月 氷見の家尻 […]