主宰近詠(令和5年10月号)
炎 昼
中坪 達哉
連山は闇に沈みて誘蛾燈
ペン立てはいつしか密に夜の蝉
彼の地では通常「七月十四日」と呼ぶ
人増えるたびに乾杯巴里祭
猛暑日最多記録
噴水の真中で飛沫見上げたし
炎昼を歩き幾らか若返る
食卓に長つ尻して夏負けか
点眼を外さぬことも夜涼かな
立秋忌(普羅忌)三句
心経に人肌匂ふ立秋忌
塚灼けてけふの大空映しをり
縦横に雲の語らひ立秋忌
俳人協会第62回全国俳句大会 2023.09.12
◆「秀逸賞」 及び 染谷秀雄「特選」、西村和子「特選」
代替りせし顔ばかり農具市 中坪 達哉
俳人協会第62回全国俳句大会(当日句) 2023.09.12
◆藤田直子選「入選」
家を発つ切り火打つかに鵙のこゑ 中坪 達哉