<草紙13>崖に咲く大辛夷  

 高岡市福岡町にある大きな辛夷の木の花が満開になった。この辛夷は、崖に根を張り、空に向かって枝を伸ばしている。根回りは1メートルほどあり、崖で踏ん張っている姿を下から見上げると、その逞しさに元気をもらえる。開花時には、山に薇がたくさん出たよと村人に教え、満開の頃は、農作業の始まりだよと教えてくれる。何より花の勢いは豊作の証。村人たちは、毎年この花の勢いに一喜一憂しているのだ。今年もまた、安心。そして、傘寿を越した我もまた、大いに句作して元気‼

見上ぐれば生きよ生きよと大辛夷     宏

                                                      


<草紙12>枝折れ桜(富南辛夷句会便り)       

 公民館の風除室に背丈ほどの桜の枝がポリバケツに活けてあった。花は見頃で、聞けば枝折れ桜だと言う。「もったいないので利用者の皆さんに見ていただきたくて」とのこと。公民館の方の心遣いがうれしい。ちなみに、この桜は富山県の桜の名所の一つである「常西用水プロムナード」の桜で、自治振興会の方が軽トラで運んできてくださったのだとか。  

 さて、句会だが、先月の部屋でもコートをまとった句会とは打って変わり、皆さんの服装は春めいている。句にも、春一番、春の泥、蓬摘む、引越し、春の雪など、「春」があふれている。

 例年、辛夷5月号に辛夷年次大会予告が掲載される。今年は会場に集まっての大会となることを願いつつ「年次大会に投句を」と早めの案内をした。今から句会の皆さんとその日を楽しみにしている。

春一番綿しぼるかに雪ちぢむ  飛鳥

 下校児の一本道に春の泥    友子 

                          康裕

                                                      


<草紙11>私の好きな裏道       

帰り路は裏道とほる初詣

 辛夷3月号「高林集句抄」で巻頭をいただいた。うれしく励みになる。

 初詣は、富山県・立山町芦峅寺の雄山神社と決めている。境内の立山杉の木立は樹齢500年とも言われ、杉の香と祈願殿・奥宮の佇まいは神々しい。雪を被く社の趣は言うまでもない(「四季だより」元旦の社)。杉木立の鬱蒼とした奥宮あたりで羚羊(かもしか)にじっと見つめられると自然に背筋が伸びる。

 芦峅寺は母の里で、子供のころは母の実家へよく遊びに行っていた。神社の裏道は村の入口から神社にかけての道。当時は小川沿いにある道で荷車が通る位の道幅だったように思う。その小川で従兄弟らとよく遊んだものだ。今は暗渠になって車が通るが、ゆるくうねった道は子供のころを思い出させてくれて私の好きな道だ。

 また、この神社は孫達のパワースポットの一つ。最後の仕上げの神頼み、受験の合格祈願で力をもらっている。

春草を分けて羚羊神の杜

                             康裕