辛夷草紙<77>(令和7年10月)
<草紙77> 「晩秋」(富南辛夷句会便り)
10年ほど前から、体育の日(スポーツの日)を目安として冬囲の準備にとりかかっている。先ずは、庭師が入り、庭木の枝払いをする。庭木がすっきりとした後で、私が雪吊りや生垣の雪囲を行うのだ。先日、我が家の物干し場に、鵙が姿を見せた。はや晩秋だ。「立山に初冠雪」のニュースを聞く日も近くなってきた。夏が終わったばかりの気がするが、頭を切り替えて冬への備えをスピードアップしていかなくては。今年も頑張ろう。
さて、句会だが、秋耕、秋の色、秋麗、仲秋、虫、コスモス、狗尾草、木犀、秋の雲、栗、穭田と仲秋から晩秋にかけての作品が多かった。また、熊の出没を詠みこんだ作品もみられた。今年は、句会のある大山会館や小学校の近く、住宅地にも出没し、子供達の学校生活に影響が出ているという。警戒せねばと思う。
投句のあった季語に合わせて『前田普羅 季語別句集』より3句。
虫なくや我と湯を呑む影法師
月代をはなれ流るる秋の雲
美しき栗鼠の歯形や一つ栗
康裕