主宰近詠(令和6年5月号)
姫 こ ぶ し
中坪 達哉
水にての髭剃りも慣れ春浅し
春の雪舞ふも一興ペダル踏む
ペダル踏む春一番を疑はず
たれかれによく会ふ日なり街うらら
刈り込みて広がる庭を地虫出づ
前庭の姫こぶし今年も
姫こぶし食はるるためにまたひらく
仰ぎては河津桜に鳥心地
春愁の靴音を吸ふ石畳
春愁のせめて足取り元気よく
傘低く春の雨音近づけて
中坪 達哉
水にての髭剃りも慣れ春浅し
春の雪舞ふも一興ペダル踏む
ペダル踏む春一番を疑はず
たれかれによく会ふ日なり街うらら
刈り込みて広がる庭を地虫出づ
前庭の姫こぶし今年も
姫こぶし食はるるためにまたひらく
仰ぎては河津桜に鳥心地
春愁の靴音を吸ふ石畳
春愁のせめて足取り元気よく
傘低く春の雨音近づけて