主宰近詠(令和6年4月号)
春 の 月
中坪 達哉
おもむろに抱く裸木の幹周り
一つ見え数多見え来る冬木の芽
雨音のゆるやかに冬あたたかや
山茶花の散り敷くばかり散るを見ず
山茶花を揺らすいつもの目白かな
家見えて大股となる枯木星
春の月空堀の底物置かず
春愁を目つむりストラヴィンスキー
梅咲くや地震の片付け進まねど
春の昼妻の欠伸の声ならむ
中坪 達哉
おもむろに抱く裸木の幹周り
一つ見え数多見え来る冬木の芽
雨音のゆるやかに冬あたたかや
山茶花の散り敷くばかり散るを見ず
山茶花を揺らすいつもの目白かな
家見えて大股となる枯木星
春の月空堀の底物置かず
春愁を目つむりストラヴィンスキー
梅咲くや地震の片付け進まねど
春の昼妻の欠伸の声ならむ