主宰近詠(令和6年3月号)

能登半島嘆きの長さ

中坪 達哉

能登半島嘆きの長さ冬銀河
笹鳴に地震の一夜は明けにけり
オリオンを肩に余震も遠のくか
  氷見の実家
倒れたる灯籠隠す雪解けて
これ以上鳴らぬ熊鈴山家へと
長風呂に枝打ちしたる指鳴らす
剱岳そびらに啓翁桜かな
部屋ごとの寒さを巡る探し物
雪踏むや電車の寒き灯を浴びて
捨てられぬ手編セーター背凭れに