2021年12月1日 / 最終更新日時 : 2021年11月30日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和3年12月号) 野 の 錦 中坪 達哉 疲れにも似たる安らぎ雁の頃今日あたりと見遣れば塀に尉鶲立山よりの秋風羊羹厚く切り登り下り慣れたる脚に威銃 とある寺院花頭窓へと押し寄せて野の錦 編集委員昼食後の散策秋雨を何の屯か五六人木刀の […]
2021年11月1日 / 最終更新日時 : 2021年10月30日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和3年11月号) 穴 ま ど ひ 中坪 達哉 ひあふぎの庭へ下りよと今日も咲く透き通る声変はらずに生身魂雀らが潜るや芙蓉の花盛り追分の旧字のしるべ鳥兜独りには独りの深さ森の秋 岐阜城秋風の匂ふ天守でありにけり磐石の庭も古りたり穴ま […]
2021年10月1日 / 最終更新日時 : 2021年9月29日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和3年10月号) 陶 枕 中坪 達哉 陶枕にそろそろ夜風とどくころ草叢を打つ雨音も夏のもの朝顔の葉裏生き生き戸締りす炎昼へ心の中で切り火打つ折り返す五千五百歩雲の峰氷片を浴びて待ちゐる掻き氷ベンチ古り蛇の気配のなしとせず築山を匂ひ立た […]
2021年9月1日 / 最終更新日時 : 2021年8月28日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和3年9月号) 空 を 広 げ て 中坪 達哉 立山のいよよ迫りてあいの風中庭をもう来る時分黒揚羽月涼し時の流るる音を聞き KNBラジオスタジオ曇りなきアクリル板に声涼し 車庫より巣立つ五羽の燕文机を立つやすなはち燕見に自転車 […]
2021年8月1日 / 最終更新日時 : 2021年7月29日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和3年8月号) 朴 の 花 中坪 達哉 植ゑ終へし田の匂ふなり夕厨衣更へ散歩の距離も延ばしけり夏帽子被り直して踏み出しぬ雲目掛け走り出したる夏野かなペダル折らんばかりに上る雲の峰 車庫に巣づくり一台分空けて今日より燕小屋黄楊の木が一 […]
2021年7月1日 / 最終更新日時 : 2021年6月30日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和3年7月号) 草 刈 る や 中坪 達哉 春眠といふこと知らず文机にはぐれたか窓辺離れぬ雀の子窓若葉鋏を二つ使ひ分け大いなる玉葱きざむ音なりしクリップも錆びたる書類夕薄暑 氷見の生家へ草刈るや錆びたる鎌を励まして種蒔を終へし右手の […]
2021年6月1日 / 最終更新日時 : 2021年5月27日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和3年6月号) 鳶 の 下 中坪 達哉 早立ちにめくる新聞黄水仙廃村にあらず畑打つ鳶の下初ざくら頭上に鳶を近くして通ひ路をいそぐ撫で肩花ぐもり 素人の遊び剪定の伝ひ歩きや塀の上囀のその正体が塀に来て春うれひも篩にかけて払ひたし利休 […]
2021年5月1日 / 最終更新日時 : 2021年4月28日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和3年5月号) 春 の 雁 中坪 達哉 雪折れの棒のごとくに立つものは裏山は夕べの匂ひ木の芽晴太く長く啓蟄待たぬ蚯蚓どち山茶花の紅映ろひて姫辛夷木の芽雨午後に食ひ込む用ひとつ 廃校となりしが 氷見学び舎へ一本道や山笑ふオールディーズ […]
2021年4月1日 / 最終更新日時 : 2021年3月24日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和3年4月号) 遠 雪 崩 中坪 達哉 明日あたり折らねばならぬ氷柱かなページ繰る指にクリーム寒夜更く暖房の音もBGМとして臘梅や近所巡るも旅気分 小庵中庭大日岳を辷り来る日矢ものの芽に軒の雪叩き落せし雨水かな芹摘むや流れに指を […]
2021年3月1日 / 最終更新日時 : 2021年3月1日 user 主宰近詠 主宰近詠(令和3年3月号) 活 字 整 然 と 中坪 達哉 冬至湯を上がればぼんぼん時計鳴るこの冷気好もし雪の降る町を寒波来る夜更けや活字整然と餅を切る一直線の深さかな除夜の湯の音ほどは波立たぬなり元日も夕べや重き雪を搔く覚えなき筆跡無名年賀状小 […]