前田普羅<46>(2024年8月)
< 普羅46 前田普羅と「鰤網」② >
氷見漁港は富山湾随一の水揚げを誇り、定置網漁場と漁港との距離が近く新鮮で美味しい魚を提供してくれます。仕掛けられた定置網(鰤網)の景の趣、操業する漁船、魚市場の活気、美味なる魚料理、などなど魅力的な氷見漁港での句を、主宰中坪達哉の著書『前田普羅 その求道の詩魂』より紹介します。
(抜粋p112) 鰤網の見えて港に入りにけり
「鰤網の見えて」「港に入りにけり」とあるから、船上よりの作であろう。道路事情の悪かった当時は、船による移動も多かった。富山港あたりから氷見漁港を目指したものでもあろうか。ちなみに、鰤網すなわち大敷網は、氷見沖2~4キロ、水深40から70メートルのところに張られる。浜から漁場までの時間は20から30分、網を起こすのに30分から1時間程度を要する。