辛夷草紙<2>(令和2年12月)
<草紙2>「蜘蛛をペットに!」
俳誌『辛夷』10月号に、巻頭作家の金山千鳥さんが「ひと隅を長居の蜘蛛に貸しつ切り」という句に合わせて面白いお話を寄せておられた。それは3年程前に見つけた小さな蜘蛛が掃除機の音に隠れたり千鳥さんをうかがったりして成長するほほえましいお話。近くペットに昇格の予定とのこと。
おかしくて私も家の中を探し、やっと見つけた巣は空っぽ。どこかに隠れているのならよいが、不慮の事故にでも遭ったのだろうか、などと蜘蛛の心配をしている自分に驚いた。今までは、蜘蛛を見れば恐る恐る追い払っていたのだ。何度かそっと見に行ったが主の姿はない。しかし翌日、蜘蛛の巣はきれいになくなっていた。どうやら引っ越しをしたらしい。ペットにできず、残念。
美沙