主宰近詠(令和7年5月号)
木 の 根 明 く
中坪 達哉
鮟鱇の吊られて映す街明かり
雪の夜の庭に何かがゐるやうな
旧正の蔵の戸かくも重たきか
今年はまだ居て
尉鶲昼からも来て木の根明く
街騒も春めくものとなりにけり
残雪の剱岳は消えず雨の中
道らしきものも失せ土筆野となりぬ
椿落つる音も聞きたり帰るとす
野遊びといふも立山正面に
面影もなき街並みや春夕焼
中坪 達哉
鮟鱇の吊られて映す街明かり
雪の夜の庭に何かがゐるやうな
旧正の蔵の戸かくも重たきか
今年はまだ居て
尉鶲昼からも来て木の根明く
街騒も春めくものとなりにけり
残雪の剱岳は消えず雨の中
道らしきものも失せ土筆野となりぬ
椿落つる音も聞きたり帰るとす
野遊びといふも立山正面に
面影もなき街並みや春夕焼