辛夷草紙<44>(令和5年2月)

<草紙44>「待ち遠しい新会館での句会」(富南辛夷句会便り)

 この3月に句会拠点の上滝公民館が、多世代交流拠点となる新施設「富山市立大山会館」へ移転する。2月末竣工ということで、舗装や植え込み用の整地のため、重機、舗装ローラがきびきびと動いていた。若いころ、施設建設に関わっていたので、日に日に建物が形を成していくのを眺めるのが好きだ。

 この新会館は、段丘崖を背にして白とダークグレーのモノトーンのすっきりとした外観だ。屋上から立山連峰を見渡せるように、外階段からも屋上に行ける。句会はいつからできるのか、上滝公民館の方に聞いたところ、3月に移転し、4月の第2週からできるとのこと。桜の満開のころだ。屋上へ行って立山連峰を見渡し、句を詠もう。待ち遠しいことだ。

 さて、今月の投句の季語は、1月下旬に大寒波が襲来したこともあって、雪、吹雪、暖炉、冬木立、氷柱などの冬の季語が半数近く見られたが、立春、建国記念の日、春めく、雪解、春の風、蕗の薹、梅、雪間草、薄氷、雛祭などの春の季語も多くなってきた。

 投句のあった季語に合わせて『前田普羅 季語別句集』より3句。

  オリオンの真下春立つ雪の宿

  雪解して二川落ち合ふ夕日かげ

  菓子を切る庖丁来たり雛の前

康裕