主宰近詠(令和4年4月号)

残 る 紅 葉  

中坪 達哉

新旧のこけしに冬日とどきけり
竹馬に乗せたる足の第一歩
今日も雪払ひて残る紅葉かな
オリオンを肩に担ぐも今日の幸
  初立山
嶺々へ雪を踏みつつ御慶かな
ひと時を走る真似ごと初山河
三日はや少し歩けば午後となり
初電車といふも一駅海を見て
我が丈に活けて啓翁桜かな
胼の手を高々とラジオ体操を