辛夷草紙<13>(令和3年4月)

<草紙13>崖に咲く大辛夷  

 高岡市福岡町にある大きな辛夷の木の花が満開になった。この辛夷は、崖に根を張り、空に向かって枝を伸ばしている。根回りは1メートルほどあり、崖で踏ん張っている姿を下から見上げると、その逞しさに元気をもらえる。開花時には、山に薇がたくさん出たよと村人に教え、満開の頃は、農作業の始まりだよと教えてくれる。何より花の勢いは豊作の証。村人たちは、毎年この花の勢いに一喜一憂しているのだ。今年もまた、安心。そして、傘寿を越した我もまた、大いに句作して元気‼

見上ぐれば生きよ生きよと大辛夷     宏