主宰近詠(令和7年1月号)
深 呼 吸
中坪 達哉
ラジオ体操抜きの出発野紺菊
歩み出す土やはらかや秋晴れて
鳴き声が頭上に雁の腹白し
爽やかに歩めば街も煌めいて
十月や大気甘きと深呼吸
居間にても庭巡りても秋澄めり
柿が柿を食うか
止まらざる水島柿を食べ出せば
柿吊す今年は二十に足らねども
白式部植うるを待ちて冬の雨
冬の夜の机辺を包む灯の穂
中坪 達哉
ラジオ体操抜きの出発野紺菊
歩み出す土やはらかや秋晴れて
鳴き声が頭上に雁の腹白し
爽やかに歩めば街も煌めいて
十月や大気甘きと深呼吸
居間にても庭巡りても秋澄めり
柿が柿を食うか
止まらざる水島柿を食べ出せば
柿吊す今年は二十に足らねども
白式部植うるを待ちて冬の雨
冬の夜の机辺を包む灯の穂