辛夷草紙<10>(令和3年3月)
<草紙10>春日差し(富南辛夷句会便り)
先月の句会は大雪予報のため急遽中止となったが、今日は(2021.2.26)とても穏やかな日となり、出句は冬の句と春の句が入りまじっていた。先ずは冬の句だが、鶴嘴(つるはし)を使った雪割りや雪降る未明の新聞配達などのご苦労を詠んだ句や、雪が降れば雪を搔き、雪が止めばほっと一息入れてと、雪と生きる句も。春の句と言えば、立春を機に掃除をしたり、北窓を開けて思い切り換気したりする行動派の句や、春日をのんびり楽しむ句があり、冬から春への移ろいを実感した句会だった。
雪止めばコーヒー淹れて新聞を 圭 子
あやとりを取る手の皺に春日差し 喜代美
康裕