辛夷草紙<41>(令和4年12月)

<草紙41>「『辛夷』創刊百周年に向けて 」(富南辛夷句会便り) 

 「『辛夷』創刊百周年記念事業のあらまし」が俳誌(辛夷12月号)に掲載された。この記念事業は、先がけて行われた『辛夷ホームページ』全面リニューアル(令和2年11月)に始まり、第2弾として『前田普羅 季語別句集』(令和4年9月)が刊行され、今後は令和6年5月の記念大会に向けて、記念誌の発刊や吟行ツアーなどの企画の具体化が進められる。

 先の『辛夷』千号発刊記念大会(平成22年4月)では、私は式典会場設営や展示物リーフレットの作成などに携わり、今も充実した楽しい思い出となっている。この式典には富南辛夷句会の皆さんも多く参加された。来る創刊百周年記念大会でも、俳句作品の応募や寄稿、記念式典参加などを通して同人・誌友の皆さんとの交流を楽しみたいものだ。

 さて、今月の投句の季語は、大雪、数へ日、短日、冬の朝、冬晴、冬の月、冬の星、冬の虹、初時雨、クリスマス、雪吊、枯芒、冬紅葉、落葉、冬の蜂などと多彩だった。中でも、二十四節気の「大雪(たいせつ)」で詠んだ句の作者は、中坪主宰が講師であるラジオ番組で「大雪を季語として詠まれた句は少ないです。是非詠んでください。」とリスナーに呼びかけがあったので詠んだという。このようなきっかけで句を詠んでみるのも楽しいし、自分の句作における視野も広げることができて、良いものだと思った。

 投句のあった季語に合わせて『前田普羅 季語別句集』より2句。

  砺波越すあわただしさよ幾時雨

  深々と落葉の中の落葉掻き

                        康裕