主宰近詠(令和8年2月号)

亥の子餅

中坪 達哉

鵙日和歩くは街の中ばかり
雑用の優先順位朝時雨
有峰の木の葉しぐれもけふあたり
漢和辞典重きも良けれ小夜時雨
 蛤御門
門一つ見逃すまじく冬の蝶
 中村軒
見学に腹ごしらへの亥の子餅
 釣人ありて利休の桂籠を思う
釣竿は冬日に溶けて桂川
 桂離宮 三句
山なりの土橋をわたる冬うらら
飛石にあうら喜び冬日濃し
月見台冬の日差しに伽羅色に