辛夷草紙<40>(令和4年11月)

<草紙40>「 紅葉とマウンテンバイク 」(富南辛夷句会便り) 

 数年ぶりに紅葉の称名滝へ車を駆った。渋滞を避けようと朝の出発となったが、朝の日に映えた峡谷の紅葉は期待を上回るものがあった。毎回、称名滝の迫力には圧倒されるが、今年はさらに、まだ明け切らぬ山影を落ちる滝の神々しさや、紅葉にぶつかるように流れ落ちる真っ白な滝の美しさを見ることができたのは幸運だった。この写真は折を見て辛夷ホームページ「四季だより」に投稿したいと思っている。

 また、道中に出会ったマウンテンバイクがとても印象的だった。総身で風を切り、紅葉の山道を走る姿は爽やかでうらやましくもあった。滝見茶屋で聞いたところによれば、立山町観光協会で「サイクルツーリズム」推進のため、坂道でも快適に利用できる電動アシスト付きマウンテンバイクのレンタルを立山駅(富山地鉄)前の案内所で始めたという。私も日頃の散歩を強化して体をつくり、挑戦してみたいと思った。

 さて、今月の投句の季語は、紅葉、照葉、月、秋の蛇、新蕎麦、柿、通草、大根、銀杏、狐、落葉、黃落、枇杷の花、雪吊り、小春、冬耕、師走などと多彩だった。11月のこの地域は、秋晴に冠雪の立山を仰ぎ、紅葉に包まれた穏やかな山里となる。句会では、そんな自然の中の生活の句を皆で楽しむことができた。

 投句のあった季語に合わせて前田普羅の句を2句。

  いつまでも夕日漂ふ小春かな

  美しき栗鼠の歯形や一つ栗

                           康裕