辛夷草紙<15>(令和3年5月)
<草紙15>著莪の花(富南辛夷句会便り)
句会の拠点は、上滝公民館。脇を上滝線が通り、踏切を渡ると、大山図書館。この図書館の裏手にある山の裾に上滝山不動尊、瀧社がある。先日訪れると、この不動尊の脇に著莪の花が群れていた。
さて、句会だが、今回は中坪先生のご指導を仰いだ。句材は春の暮、春筍、一年生、山桜、藤の花、田植、雷、著莪の花など「春」と「夏」が混在。今回は、事前投句を採用し、選句・披講が終了した段階で先生にお出でいただいた。予め各自が選を終えているので、落ち着いてじっくりと先生の選評・添削を吸収できる。語順の入れ替え、助詞の使い方、背景説明からの言葉の入れ替えなど、具体的なだけに全員納得顔。お話の中で、「著莪の花」の句がめっきり減ってきたと伺った。著莪の花は、森や、寺・神社の境内、庭園などでよく見かけたものだが、コロナ禍の外出自粛で詠む機会が減ったのだろうか。それとも「著莪」そのものが減ってきたのだろうか。私も不動尊の脇で出会った「著莪の花」で詠んでみようと思う。
今日は、句会に投句された文夫さんの句を紹介します。
水音の大きく小さく著莪の花 文夫
康裕