中坪達哉主宰近詠

  花 擬 宝 珠
            中坪達哉
初めての地とも思へず緑蔭に
地を這へるものにも風の涼しきか
草引いていくらか木の根ちぎりけり
くれなゐの大うちはもて風呂上り
  雨が続きて
倒るるもひとつの姿花擬宝珠
縁側に声も大きく梅雨晴間
叱咤いな激励か雲の峰眩し
船虫の岩を光らせ散りにけり
花合歓のその大いなる木蔭かな
今日の日もとつとと過ぎて緑の夜