中坪達哉主宰近詠

   端   座
            中坪達哉
踏むまじく迷ふまじくと花野かな
風もまたほほゑむやうに萩紅し
やや逸れて見て見ぬ振りや穴まどひ
とをばかり柿を食らひて出掛けるか
道問へば橡餅もらふ日和かな
朝夕の仏間の出入り冬めきぬ
捨てし筈の文庫を探す夕時雨
小夜時雨端座の臀を置きかへて
寒ければ焚火の炎浮かべをり
目なかひにオリオン倒れペダル漕ぐ