中坪達哉主宰近詠

  立 秋 忌 (普羅忌)
            中坪達哉
斜交ひに頬傷ひとつ枝払ひ
汗で汗拭くハンカチとなりにけり
  涼しさといふは
目覚むるも寝入るも滝の音の中
蝉どもを追ふにあらねど水を打つ
蛇ゐるといふ物置を開け放つ
完熟のトマトに膳の色そろふ
  立秋忌 二句
歩むとす日雀の声も高ければ
昼空へ虫の高音も立秋忌
隣町へは自転車で雲も秋
雁がねや覗けば闇の壺の底