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辛夷句抄
(平成30年8月号)

五岳集句抄

目的はあるや渦巻く蟻の道 今 村 良 靖
花辛夷幹叩きてはうち仰ぎ(高岡市沢川) 但 田 長 穂
斑猫や古都鎌倉へ切通し 藤   美 紀
吊り上がるクレーンの石や走り梅雨 野 中 多佳子
書くべきか終活ノート梅雨に入る 渡 辺   梓

高林集句抄

行くほどに夜店の匂ひ入りまじる 菅 野 桂 子
大緑蔭なして名立たる大社(おおやしろ) 石 原 照 子

衆山皆響句抄

老いて知る父母の暮しや竹落葉  猪 羽 希美子
春のもう行くかドクターヘリ飛んで 山 下 正 江
紫陽花の見頃も過ぎし歩調かな 堀 田 千賀子
買ひ替ふる備蓄食品梅雨深し 齊 藤 哲 子
緑陰の水辺のベンチ傾きて 相 川 道 子
傘に降る椎の落花や源氏山 松 村 永 子
何触れて散るや奄美の百合白し 田 村 ゆり子
荒梅雨やひとりの午後をツービート あらた あきら
雲行きに急ぐ山小屋霧の中   谷   順 子
ケルン見遣り雨雲おほふ頂へ 中 林 文 夫
パラソルの青に翼の欲しき空 寺 田 嶺 子
道すがら日毎青増す余り苗 桑 田 ふみ子
峡の宿長き廊下に蕨干す  民 谷 ふみ子
梅シロップへひと掻き混ぜや出社前 鍋 田 恭 子
巣作りに不向きか燕姿消す 小 路 美千代
積まれたる土管覗けば夏至の街 中 川 正 次
夏まつり遺影に法被たたみ置く 中 村 伸 子
参道の間合ひ涼しき木立かな 清 水 眞理子